北海道銀行フォルティウスのマネジメントを通じて女性、母親へのエールを送る支援活動を                                    ~博報堂DYグループ「CSRレポート2016」より~

結婚、出産を経て復帰した選手が活躍するチーム

現在私は、北海道を本拠地とするカーリングチーム、北海道銀行フォルティウスのマネジメントを担当しています。日々のメディア対応、大会へのエントリーなどを含めて、選手が競技活動に集中できるよう、そのために必要な環境を整えるというのが主な仕事です。それと同時に、選手として社会に発信したいメッセージを伝える活動や、社会貢献活動についても、選手たちと一緒に考えながら、実現できるよう全面的にサポートしています。

Team Ogasawara2016 (2)

北海道銀行フォルティウス チームメンバー (写真左より小笠原歩、吉村紗也香、小野寺佳歩、近江谷杏菜、船山弓枝)

日本カーリング界の「顔」とも言える小笠原歩選手は、チーム青森のメンバーとして2006年のトリノ冬季オリンピックに出場後、一度競技生活の第一線から離れ、結婚、出産しています。その後2010年に復帰、2014年のソチ・オリンピックに出場しました。同じくチームメイトの船山弓枝も、結婚、出産を経てソチに出場。二人は母親として冬季オリンピック代表になった、日本で初めての選手でした。海外のカーリング選手が、結婚、出産を経てなお、競技の第一線で活躍を続ける姿を目にし、刺激を受けた事が復帰を決意した要因の一つと聞いています。博報堂DYスポーツマーケティングは、その復帰のタイミングからチームのマネジメントをすることになりました。

同じ境遇にある女性たちに勇気を

彼女たちはアスリートでもありますが、当然、一人の女性でもある。競技人生を送ることのできる時間は限られているので、競技以外の自分の人生もちゃんと生きたいと考えた結果、結婚、出産を経ての復帰となりました。海外では逆にそういったケースがほとんどで、結婚を機に女性が一線を退くという感覚のほうが珍しい。でも日本ではまだまだ、そういう考えが根強い気がします。小笠原選手と船山選手という存在は、チームの後輩選手にとってとても良いロールモデルになっていますし、同じような境遇にある世の中の女性たちを様々な形で勇気づけることができるんじゃないかと思います。

支援活動を通じて選手たちのメッセージを発していきたい

チームとして2012年以来、赤い羽根共同募金への「赤い羽根サポーター」活動を継続して行っています。シーズンを通して1勝につき2000円を募金するというもので、年に一度募金の贈呈式が行われます。その年の成績を確認することもでき、モチベーションアップにもつながりますし、何より、多くの方々のサポートを受けながら、選手たちが自らの夢に挑戦できる環境に身をおかせてもらっているということへの感謝の気持ちを表す機会として、大切なものになっています。

「私たち北海道銀行フォルティウスは、スポーツを通して、社会に恩返しをしたいと考えている中で、赤い羽根募金はその具体的な行動の一つです。スポーツはフェアプレー精神のもので行われます。スポーツは平和の象徴であることと同じように、みんながフェアな環境で暮らせる社会になることを願っています。」

というこの活動に寄せたコメントにも、彼女達の想いが現れています。

またチームとして熊本地震で被災した女性や子どもたちに向けて行ったのが、国際協力NGOジョイセフ(公益財団法人)への寄付です。ジョイセフは世界各地で女性のための持続可能な支援の仕組みをつくるため、現地の政府やNGOと連携して活動を行っている団体。その「すべての女性が自分の人生を自らの意思で選択し、決定できる環境をつくるために」というスローガンに選手が賛同した結果です。
「すべての女性が健康で生活できるためのより良い環境が整備されるよう応援したい」という想いを胸に、その他にも様々な寄付活動を行っています。

アスリートや商品などを通じて、大きく世界に発信できる力があるのは、広告会社ならではだと思います。アスリートはもともと社会的影響力を強く持つ方々です。私たちがその影響力をうまく形にし、彼女たちの望む社会貢献活動をしっかりサポートしていければと思います。

onodera

プロフィール
小野寺美穂
博報堂DYスポーツマーケティング  アスリート事業部
2014年8月、博報堂DYスポーツマーケティングに入社。前職では芸能プロダクションで元アスリートや文化人のマネジメントを担当。オリンピックに3回出場した小笠原(旧姓:小野寺)歩選手は実の姉。北海道銀行フォルティウスの選手に刺激を受け、年に2回だったジム通いが週2回になった。趣味はクレーンゲームとミュージカル鑑賞。

 

0831

博報堂DYグループのCSR事例が満載の「CSRレポート2016」
2016年8月、博報堂DYグループCSRレポート2016が発行されました。本レポートでは、博報堂DYグループ社員一人ひとりが独自に取り組む積極的なCSRアクションを「Advanced CSR」として紹介しています。「Advanced CSR」は博報堂DYグループの社員一人ひとりが自らの仕事を見つめなおし、それぞれが持っているナレッジやスキルを活かしながら進めていく活動です。「自分の仕事は社会的責任を果たせているか?」、「もっと社会のためにできることはないか?」と主体的に考え、生活者、社会の渦の中に飛び込み、新たな渦をつくりだし、動かしていくことによって生まれるソーシャルアクションで、今回は83件の事例を紹介しています。本連載ではその中から、博報堂DYメディアパートナーズ及び関連会社の事例をピックアップしてご紹介しています。

<関連情報>
CSRレポート2016事例紹介VOL.1 支持を得て拡大し続ける「妊婦手帳」「育児手帳」
CSRレポート2016事例紹介VOL.2 障がい者スポーツに取り組む 世界車いすテニス国別対抗戦