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■放送局が生み出す「プレミアムコンテンツ」

放送局はプロフェッショナルなコンテンツメーカーです。

放送局はいつの時代も、生活者のニーズに合わせた企画を立て、権利処理を行い、日々休むことなく生活者を楽しませることのできる番組を放送し続けています。さらに、時には生活者のニーズに先んじて、新たな提案・提言などを投げかけることもあります。コンテンツを制作するということは、それに伴う責任も負うという強い意志で、放送局は私たちに楽しみや感動などを届けてくれていると言っても過言ではないでしょう。

近年、デジタルデバイスの普及に伴い、生活者の視聴動向に変化が生じています。生活者は、お茶の間のど真ん中にあるテレビ受像機を通してだけではなく、様々なデバイスでテレビコンテンツを楽しむことができるようになりました。放送局はこれらの視聴環境の変化にアジャストしていく必要があり、その形の一つが動画配信サービスです。放送局はテレビ見逃し配信サービスなど新たな展開に取り組んでいます。

そしてそこでも大事なことは、しっかりと権利処理された良質なコンテンツが並んでいることです。放送であろうが動画配信サービスであろうが、放送局が巨額の制作費をかけて制作したコンテンツは、責任の所在が明確であるということも含めて、プレミアムコンテンツと言えます。

しかしながら、一方で憂慮すべき問題も発生しています。生活者の視聴動向が激しく多様化することにともなって、動画の違法なアップロードが散見されるようになりました。違法なアップロードがコンテンツビジネスにとってプラスをもたらすことはありません。放送局が今後も多くの素晴らしいコンテンツを制作し、世の中に出し続けていくためには、このような事態の改善が必要です。

■権利が守られることで広告市場も活性化する

コンテンツメーカーの権利が守られ、しっかりとプレミアムコンテンツを作り続ける状態を持続させていくことは、マーケティングコミュニケーションの視点でも重要です。プレミアムコンテンツは、生活者が安心して視聴することができるものであると同時に、その信頼性から、マーケティングコミュニケーションの接点としても価値の高いものです。プレミアムコンテンツが継続的に供給されることは、マーケティングコミュニケーションの市場活性化に寄与します。

作る人も、見る人も、活用する人も、すべての人たちが利益を享受できるようなプレミアムコンテンツのニーズはこれからも増え続けると思います。プレミアムコンテンツが様々なデバイスやプラットフォームで提供されることによって、生活者が視聴する機会が増加し、マーケティング価値も向上し、結果として新たな制作費を生んでいく、そのような好循環をより大きく回していける環境の整備を、放送局、プラットフォーマー、コンテンツホルダーと共に広告会社としても進めていきたいと思います。

◆AdverTimes「メディアガイド2017」リレーコラムより転載

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山本浩二 博報堂DYメディアパートナーズ
動画ビジネス局動画ビジネス部

※執筆者の部署名は、執筆時のものであり現在の情報と異なる場合があります。

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