2022.03.29

Tele-Digi AaaS によるメディアマーケティングの進化 後編

博報堂DYグループが推進する広告メディアビジネスのDX「AaaS」では、従来の「広告枠」から広告主の事業貢献である「効果」を売り物としたビジネスへの脱却を推進しています。今回は、メディアの統合評価・運用によるマーケティング効果の最大化を目指すTele-Digi AaaSの進化についての後編です。全三回の連載最後では、ソリューションのアップデートやテレデジ以外のメディア活用、サービス間連携によるシナジーの創出について、博報堂DYメディアパートナーズ統合アカウントプロデュース局の渡辺 哲、同メディアビジネス基盤開発局の鈴木 智之、博報堂プロダクツ プロモーションプロデュース事業本部の戸柏 友貴乃に語ってもらいました。

営業・開発一体でのテレデジ統合評価・運用にむけたアップデート

営業・開発一体でのテレデジ統合評価・
運用にむけたアップデート

渡辺:
前編・中編ではTele-Digi AaaSが、サーチやCVといった獲得指標はもちろんLTVや態度変容などフルファネルのKPIに対応し、導入いただいた際にどのように運用改善を行なっているかをお話させていただきました。後編では、テレデジ以外のメディア活用やAaaSサービス間連携による広告効果最大化を中心に、広告主へのサービス導入・運用に直接向き合っていらっしゃる戸柏さんと、データ基盤からサービス改良に取り組んでいらっしゃる鈴木さんとお話を深めていきたいと思います。

戸柏:
博報堂プロダクツ プロモーションプロデュース事業本部の戸柏です。私は主に広告主の課題設定やその解決方法のご提案、実際に解決していく過程を主導しています。課題解決の手法はクリエイティブや事業創造などさまざまですが、メディア領域ではAaaSサービスで課題解決できる場合が多いため日々活用しています。

鈴木:
博報堂DYメディアパートナーズ メディアビジネス基盤開発局の鈴木です。私はTele-Digi AaaSをはじめとするAaaSサービスの根幹を支えるデータ基盤をアップデートする役割を担っています。例えば、他企業・他サービスとの連携により、データ基盤に新たなデータセットを用意したり、データの使い方としてより新しく高度かつ有益な方法を検討・実装したり、それらをより使いやすくする為の汎用化等を行っています。

渡辺:
改めまして、博報堂DYメディアパートナーズ 統合アカウントプロデュース局の渡辺です。私の所属する組織では主にテレビCMやデジタル広告、 OTTなどのメディアのプロデュース・PDCAによるマーケティング効果最大化、メディア領域へのデータテックサポートやソリューション開発など、メディアに関するあらゆることに最前線で関与しています。ソリューション開発では最近、戸柏さんから頂いたフィードバックを取り入れましたね。

戸柏:
はい。渡辺さん・鈴木さんたちに営業や得意先の使用感をフィードバックしつつ、会社横断でソリューションをより良いものにアップデートできていますよね。お電話はこちらといったいわゆるCall誘導テレビCMを放映している広告主でのテレデジ統合評価・運用にむけたアップデートが印象的でした。

渡辺:
デジタルto Callやテレビto WebなどKPIとしてCallを採用するときの精緻化や、BSやCSも含めた全テレビCMの評価、特に長尺テレビCMによる態度変容効果やテレデジ重複接触による相乗効果の可視化など、多くの面からサービスをアップデートしましたね。

鈴木:
実際の精緻化にあたっては、Call誘導素材であってもWeb誘導効果があるのではないか、タイムCM実施の場合は認知などの態度変容にも効いているのではないかなど、様々な仮説をもって分析しています。また、何をどこまで評価すべきかは広告主や商材、キャンペーンの性質などにより異なりますので、任意で評価モデル等を選択・反映できるように裏側も工夫しています。

戸柏:
たとえばある広告主では、年々テレビCMによるCall誘導効率が悪化していました。その中で、単純にテレビCMによるCall獲得単価とデジタル広告によるWeb獲得単価を比べると、デジタル広告のほうが良い場合は多いものの、どこまで予算をデジタルシフトすればよいのかわからないという課題を抱えていました。この課題に対しTele-Digi AaaSを活用しました。その結果、そもそもWeb誘導も含めたテレビCMの効率は改善傾向にあることや、テレビCMがデジタル広告での獲得に貢献していることなどを可視化することで、現状理解をアップデートしたうえでテレデジ比率はどれくらいが最適なのかを算出できました。

テレデジにとどまらないメディアへの対応拡充

テレデジにとどまらない
メディアへの対応拡充

渡辺:
メディアという大枠で言えば、テレビとデジタルにどの程度の割合で投資すべきなのかを知りたいというニーズは多く聞かれますね。メディア投資額が大きいテレビCMとデジタル広告に主眼に置いているのがTele-Digi AaaSですが、メディア横断で評価するという意味で、BtoB系広告主で需要の高いタクシー広告や直近市場が盛り上がっているデジタルサイネージを含むODMの評価・運用にも活用いただけます。

戸柏:
テレデジ以外のメディアも評価できるようになったことで、マーケティング戦略からメディア戦術をプラニング・実行し、その結果をマーケティング効果として評価するような、マーケティング~メディアのPDCAも回しやすくなりました。メディアを網羅的にカバーすることでオールインワンの評価運用スキームとして活用できるためです。

渡辺:
メディア対応の拡充という意味では、メディアを増やすことに加えて評価精度を上げることにも取り組んでいます。テレビやデジタル、ODMはもちろん、OTTやラジオなどあらゆるメディアに対して、評価手法や精度の継続的なアップデートを行っています。

鈴木:
アップデートについては、市場性や将来性をもとに開発を行うチームや、現在のTele-Digi AaaSをはじめAaaSサービスを導入いただいている広告主の課題を解決する方向から開発を進めるチームなど、さまざまなチームで取り組んでいます。今まさに開発中の領域も多々ありますので、課題感を一度ご共有いただくのがおすすめです。

AaaSの各サービス間連携による広告効果の最大化

AaaSの各サービス間連携による
広告効果の最大化

戸柏:
Tele-Digi AaaSのアップデートでさまざまなメディアを評価できるようになっていることで、Analytics AaaSとの連動性も上がっていると感じています。ある広告主ではテレビCM、デジタル広告、タクシー広告、展示会、オンラインセミナーを組み合わせてキャンペーンを実施しているのですが、商談件数に対する投資対効果を最適化する必要がありました。まずはAnalytics AaaSで、各種施策と KGIの関係性を競合動向や市場環境などを加味した中間KPIを用いたマーケティングモデルとして可視化し、メディア間の予算を設定しました。続いてTele-Digi AaaSで、モデルで設定したKPIを最適化するよう、より細かいプラニングしモニタリングを行いました。その結果テレビCMからOTTへの予算のアロケーションや、クリエイティブフォーメーションの変更等の効果最適化を実現できました。施策終了後は再びAnalytics AaaSでモデリングを行い、キャンペーン成果の成功要因や改善余地をマクロ視点で振り返り、次回キャンペーンに活かしています。

渡辺:
テレデジ領域での運用を実践するサービスであるTele-Digi AaaSは、マーケティング領域のサービスであるAnalytics AaaSと親和性が高いですね。個別メディアのより詳細な分析や最適化、そこから得られた示唆をマーケティングへ還元するTV AaaS、Digital AaaSとの親和性についても話を広げていきたいと思います。鈴木さんが担当されているTV AaaSによるモバイルマーケティング分析プラットフォームAdjustや、アトリビューション計測プラットフォームAppsFlyerとのAPI連携などが当てはまりますね。

鈴木:
TV AaaSでは、テレビCMとの接触がアプリの新規インストールや既存ユーザーのアプリ内行動に与えた影響をリアルタイムにモニタリングすることで、オンライン・オフラインを統合したスピーディーなモバイルマーケティング活動の策定・実行が可能な環境を実現しました。 Tele-Digi AaaS では、TV AaaSのデータ連携の部分を軸に連携しています。具体的には、モバイルマーケティング活動に対するデジタル広告の効果やテレデジ統合効果を評価できる手法を開発しました。

戸柏:
ある広告主では、ウェブサイトとアプリの両方にサービスプラットフォームを持っており、サービス利用拡大においてウェブサイトとアプリでの会員登録の両者を計測していきたいという期待がありました。Tele-Digi AaaSでアプリも計測できるようになったことで、例えば3日前に見たテレビCMについてアプリでの会員登録に効果があったかどうかや、テレビCMとデジタル広告の重複接触によってウェブ+アプリ会員登録リフト効果がどの程度生じていたのかなど、メディア効果を精緻に評価できるようになりました。その結果を活用することでメディアプラニングの改善に繋げることができました。

鈴木:
TV AaaSとの親和性という意味ではほかにも、放送局の広告枠の再配分による個別のスポットCM案の効率向上や、アルゴリズムによって費用対効果を最大化するタイムCMの組み合わせを提案するシステム(TV AaaS for タイムプラニング)など、Tele-Digi AaaSのテレビ領域における個別最適化で連携していますね。

戸柏:
そうですね。Digital AaaSとTele-Digi AaaSの関係も鈴木さんのお話同様、デジタル領域の個別最適化で連携していますよね。TV AaaS同様、ある部分の効率がなぜ良かったのか・悪かったのかを深掘りすることで、検証可能で再現性のある改善施策が実施できます。

渡辺:
Digital AaaSでは、ユーザー分析で深掘り可能なAudience Diveとの相性も良いです。Audience DiveはGoogle、Yahoo!、LINE、Amazonなど主要プラットフォーマーデータを活用し広告オーディエンスの多面的な深堀分析をダッシュボード上で提供するソリューションです。例えば、広告配信時に設定していないターゲティングセグメント軸をリーチポテンシャルという量とCVRという効率で評価することで、今とれているセグメントや今後伸びしろのあるセグメントを把握し、それらのファインディングスをマーケティング上のターゲット戦略にフィードバックできます。

鈴木:
私たちはAaaSを提供することで、「広告効果の最大化」による事業成長への貢献を目指しており、その実現を拡張性が高いデータ基盤で支え、AaaSコンサルタントがサポートしています。データ基盤はTele-Digi AaaSはもちろんAnalytics AaaS、TV AaaS、Digital AaaSといったAaaS全サービスを支えており、その出面であるダッシュボードまで全体をカバーしています。マーケティング課題からテレビCMやデジタル広告といった個別メディアの課題まで幅広くサポートしていますので、抱えていらっしゃる課題感についてぜひ一度ご相談ください。

渡邊 哲

博報堂DYメディアパートナーズ
統合アカウントプロデュース局
AaaSアカウント推進2部
マーケティングプラナー

鈴木 智之

博報堂DYメディアパートナーズ
メディアビジネス基盤開発局
開発推進部
ビジネスプロデューサー

戸柏 友貴乃

博報堂プロダクツ
プロモーションプロデュース事業本部
プロモーションプロデューサー

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