2022.01.19

Tele-Digi AaaS によるメディアマーケティングの進化 前編

博報堂DYグループが推進する広告メディアビジネスのDX化「AaaS」では、従来の「広告枠」から広告主の事業貢献である「効果」を売り物としたビジネスへの脱却を推進しています。ここでは、その中でもメディアの統合評価・運用によるマーケティング効果の最大化を目指すTele-Digi AaaSの進化について3回にわたって紹介します。第1回目では、KPIの設定などの活用方法から他のAaaSソリューションとの連携について、博報堂DYメディアパートナーズ統合アカウントプロデュース局でTele-Digi AaaSの開発にも関わる渡邊 哲と寺田 周平に語ってもらいました。

テレビ広告とデジタル広告のエキスパート集団によるテレデジ運用

テレビ広告とデジタル広告の
エキスパート集団によるテレデジ運用

渡邊:
まずはじめに、Tele-Digi AaaSによる広告メディアビジネスの進化について、 AaaSの掲げるデータ✕システム✕アルゴリズム✕人という趣旨をもとに補足します。 データについては、HDYグループが独自に抱えるWeb行動ログなどの生活者DMPにDigital AaaS、TV AaaSにより一層柔軟に利用できるようになったプラットフォーマーデータや媒体社データなどを掛け合わせることで対応領域を深化・拡張させています。
システムおよびアルゴリズムについては、社内外研究機関などとの連携や共同研究によるロジック開発を行ったうえで、データとアルゴリズムを常時接続的に組み合わせることでリアルタイム性を持った評価・運用が可能になりました。
人については、テレビ広告とデジタル広告のエキスパートを結集したチームであるTVdigi expertsが100名規模で在席しています。整えたデータ✕システム✕アルゴリズムを使い、広告主の課題探索からソリューションの提案・実行・総括といった課題解決までのフローを一気通貫で実現しています。

寺田:
特に人の部分が重要ですね。渡邊さんが開発責任者、私が運用責任者を務めているTele-Digi AaaS内のサービスも、TVdigi expertsの力を借りて多くの広告主に利用いただいています。
Tele-Digi AaaSでは、どのようなメディアを、どういった統一KPIで、どのように評価し、どうやって運用するのか、を意識しています。加えて、Tele-Digi AaaSはマーケティング戦略を具体化する統合メディアレイヤーのサービスですので、マーケティングレイヤーのサービスであるAnalytics AaaSや、個別メディア最適化をより一層進化させるサービスであるTV AaaSやDigital AaaSなど、他レイヤーとのつながりも重要です。

渡邊:
Tele-Digi AaaSにはメディア・KPI・評価・運用・他レイヤーサービスとのつながり、という5つの構成要素がありますが、今日はKPIについて深掘りしていきたいと思います。

テレデジを統合したフルファネルでのKPI対応

テレデジを統合した
フルファネルでのKPI対応

渡邊:
メディアによる広告効果への期待は、広告主のビジネス成長を実現すること・キャンペーン目的を達成することにあります。それらへの達成度を測るKPIは一般的に、潜在層・見込層・顕在層・既存層の大きく4つの層を意識して設定します。
具体的なKPIですが、例えば、主に既存層のロイヤリティを測る指標であるクロスセルや予測LTV、主に顕在層の刈り取りを測る指標であるWeb CVや来店、主に見込層の行動喚起を測る指標である検索やサイト来訪、主に潜在層の自社へのアクティブ化を測る指標である広告リーチや認知などがあります。
ビジネスフェーズや商材特性、キャンペーン目的や実施メディアなどにより設定すべきKPIは異なりますが、Tele-Digi AaaSは4つの層=フルファネルでの計測に対応しており、さまざまな状況の広告主に対しそれぞれに適したKPIをご提案・テレデジのプラニング・バイイング・運用改善へ活用しています。

寺田:
私が担当したダイレクト志向の広告主では、潜在層や見込層に対する取り組みを含めあらゆる施策をCV視点で評価しなければならないものの、その方法がわからないという課題がありました。Tele-Digi AaaSによりテレビCMやデジタル動画広告のCVリフト効果(広告接触によるCVの増分)を算出することで、各施策効果を正しく把握できるとともに、テレデジ予算配分やテレビCMにおける曜日時間帯ごとのクリエイティブ運用など成果改善につながる打ち手を実現できました。特に、クリック効果のみを計測すると過小評価になってしまうデジタル動画広告の視聴によるCVを計測できる点と、単純なCV数ではなくリフト効果で比較できる点は満足度が高かったです。

渡邊:
確かに、広告に接触しなくても行動したであろう人を除外したリフト効果を算出できることは Tele-Digi AaaSの特徴の1つですね。
私が担当した日用品関連広告主の場合、KPIを購入意向に設定し、テレビCMやYoutubeなどテレデジ広告接触による購入意向への効果を測定しています。性年代や広告接触回数、クリエイティブや複数メディアへの接触有無など多数の軸で購入意向のリフト効率を集計し、その結果を接触状況モニタリングによる期中運用や次回出稿時のメディアプラニングに活用しています。

寺田:
行動指標に加えて購入意向などの意識指標にも対応しているのはTele-Digi AaaSならではですね。
KPIの中では広告接触による検索の増分をKPIとする検索リフト案件は最も多く対応させていただいています。全体的な所感ではありますが、業種やクリエイティブの訴求軸、キャンペーン実施時期により検索リフト効率の高い媒体メニューや曜日時間帯がばらつくのは、僕らとしても興味深い発見でした。

渡邊:
開発時は効果効率のいい部分が従来人気の枠やメディアに偏っていたらどうしようとどきどきしながら検証しましたね。
態度変容にせよ行動喚起にせよ、刺さる訴求軸は人や状況などによって異なるので、最大公約数的なクリエイティブ選定に加え、細やかな出しわけ・運用も重要だと考えています。従来のクリエイティブ制作フローに加え、MP.QuickMovieによるプラットフォームごとにカスタマイズした動画制作や、博報堂DYグループのアイレップ Team JAZZによるクリエイティブ科学に基づくテレビCM制作など、AaaSの周辺領域についてもグループで強化しています。

広告主課題に応じた複数KPIの使い分け

広告主課題に応じた複数KPIの使い分け

寺田:
KPIの話に戻ると、KPI選定は簡単なようで奥が深いテーマです。例えば、検索をメインKPIとしてキャンペーンを実施していたとしても、販売貢献でみるとどうなのか、どの程度の人に広告が届いたのかなど、メインKPI以外の部分も気になってしまう、というのはよくあることです。また、メディアの役割は単一のものではないことをふまえると気になるのは当然のことでもあると考えています。その点Tele-Digi AaaSではフルファネルに対応した幅広いKPIについてリフト効果をダッシュボードで可視化できるため、かゆいところに手が届きやすいと思います。

渡邊:
複数KPIでキャンペーン評価を行うケースもあります。ある広告主では定常的なデジタル施策に加え需要期にテレビCMやデジタル動画広告を実施しているのですが、その際のKPIは第一優先がファネルを縦に押し下げる販売数、第二優先がファネルを横に広げる見込み顧客の活性化とするなど、同一のマーケティング施策で2種類のKPIを設定していました。
このため、顕在層の刈り取りを行うバナー広告などとのテレデジ比較では第一KPIとしてWeb CVリフトを設定しました。一方潜在層や見込層の行動喚起を主な目的とするデジタル動画広告とのテレデジ比較では、第二KPIとして中長期的には認知、短期的には検索リフトを設定しそれらの計測環境およびダッシュボードを構築しました。
実際キャンペーン期間中には、まずは販売数が目標達成ペースとなるよう第一KPIのWeb CVリフトでテレデジ運用を行い、続いて残予算と追加予算で第二KPIの検索リフトを最大化するテレデジ運用を行いました。KPIを使い分けたメディア運用によりマーケティング目的の達成へ貢献し、広告主満足度は高いものでした。

寺田:
複数KPI活用の場合、そのひとつにリーチ&フリークエンシーを設定するケースが多いですね。行動指標や意識指標は広告が当たった結果生活者が動いたかどうかを計測するものですが、その前提の、そもそも広告に接触したかどうかを見ていくのもまた順当なことだと思います。実際、広告主の多くはリーチ&フリークエンシーをメインKPIとしつつサブKPIに検索や来店などの行動指標を設定、あるいは、メインKPIに加えてサブKPIとしてリーチ&フリークエンシーを設定しています。

渡邊:
リーチ&フリークエンシーをメインKPIとする場合、クリエイティブ配分は行動指標のKPIに基づいて運用します。メディアはメッセージを届け、メッセージが人を動かす、という役割分担の考え方ですね。
リーチ&フリークエンシーをサブKPIとする場合、何回広告に接触すると行動しやすくなるのかを計測し最適化に活用するケースが多いです。複数クリエイティブ・複数メディアへの接触によるリフト率上昇効果があるのかどうかも可視化でき、プラニングやバイイングのアップデートにつながります。また、広告が届いているのかどうかをウォッチし社内で報告をあげなければならない、というケースもありますね。

寺田:
Tele-Digi AaaSの対応KPIはフルファネルですが、何をメインKPIとするのか、サブKPIを使うのはどのような場合なのかについては開始前にディスカッションの上整理、確定させています。KPIの設定方法は、【メディア論】・【ビジネスインパクトや生活者行動】・【Analytics AaaS連携】の大きく3種類あります。
メディアのあるべき論からKPIを設定する場合、例えばテレデジを潜在層と見込層をターゲットにするアッパー~ミドルファネルメディアとしてKPIを潜在層の認知+見込層の検索とする、などがあります。ビジネス上のインパクトが大きい指標や生活者行動パターンからKPIを設定する場合、例えば購入する前に1度は検索するような商材であるなど想定される行動導線としての妥当性がある検索をKPIとする、などがあります。

投資対効果の算出からメディアの運用改善まで

投資対効果の算出から
メディアの運用改善まで

渡邊:
メディア論はもちろん、ビジネスインパクトや生活者行動に基づくKPI設定も妥当なものですが、より一層精緻な方法がAnalytics AaaSで構築したマーケティングモデルに基づくKPI選定です。例えば、経験的に検索が100上がれば売上がおおよそ1増えると肌感がある場合であっても、検索に加え実は認知や口コミも売上に効いているなど、マーケティング構造の精緻な分析を行うことで見えてくるKPIや関係性もあるからです。
それらの内容を踏まえて、Analytics AaaSとTele-Digi AaaSを両方活用する場合について説明します。まず、Analyitics AaaSでマーケティング施策による売上の変化などビジネスやマーケティングのKGIへの効果を可視化します。可視化にあたりマーケティングミックスモデルを組むのですが、モデルでは通常中間KPIを設定し、マーケティング施策とKGIの関係性を構造化します。例えば、テレビCMをみて商品を認知し売り場で思い出し購入する、という導線では、認知が中間KPIにあたります。続いて、Tele-Digi AaaSによって、モデルで設定した中間KPIに基づいたバイイング・モニタリング・運用改善を実施します。例えば、認知を最大限高めるテレデジ間予算配分やクリエイティブフォーメーションなどです。

寺田:
Analytics AaaSとTele-Digi AaaSの両方を活用した事例もあります。ある広告主では、テレビCMをはじめとするメディア出稿による来店効果が、主にコロナによる影響と相殺されよくわからなくなってしまったという課題がありました。この課題に対しAnalytics AaaSにより広告主のマーケティング構造を可視化し、コロナをはじめとする外部要因についてどの要因が来店にプラス/マイナスで効いているのか、なぜコロナ禍で実施したキャンペーンで来店がさほど増えなかったのかを明らかにしました。また、今後どういったタイミングでどの程度テレデジに投資すると来店リフト単価はいくらになりうるのかを明示し、その際のバイイング最適化・運用改善の手段としてTele-Digi AaaSを活用しました。AaaSの各サービスを組み合わせることで、マーケティング構造の可視化からメディアの運用改善まで一気通貫してお手伝いさせていただいています。

渡邊:
テレビとデジタルの効果を最大化させる為の機能を結集したチームであるTVdigi expertsや、AaaSソリューションを活用した課題解決プロフェッショナルであるAaaSコンサルタントには、例えばAnalytics AaaSのようなアプローチでマーケティング構造を可視化しKPI選定を行うスキルセットを持った人材も多数在籍しています。
Tele-Digi AaaSではメディア施策をビジネス成長のための統合メディア戦略・戦術へアップデートします。マーケティング成果最大化に向けてテレデジ統合評価・運用に着手し始めた広告主はもちろん、将来的な複数メディア計測を見据えた上でテレビのみ、デジタルのみでTele-Digi AaaSを活用いただくことも少なくありません。広告主のビジネス成長なくして媒体社や広告会社の健全な成長は成立しませんので、win-win-winの関係を、例えばTele-Digi AaaSで実現していきたいと考えています。

今回ご紹介した内容を含むウェビナー、「最新ツールを活用した『テレビCMとデジタル広告の最適化手法』解説ウェビナー」をアイレップ主催で開催します。
詳細はリンク先をご参照ください。

渡邊 哲

博報堂DYメディアパートナーズ
統合アカウントプロデュース局
AaaSアカウント推進2部
マーケティングプラナー

寺田 周平

博報堂DYメディアパートナーズ
統合アカウントプロデュース局
AaaSアカウント推進2部
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