「観るだけでじっくり読んだ気にさせる!」をコンセプトに毎週日曜日18:00~18:54にBS日テレで放送している、「久米書店~ヨク分かる!話題の一冊~」の店主・久米宏さんと美人店員・壇蜜さんを訪ね、お話を伺いました。

ゲストの“ぐいぐい度”が高い。
収録が終わった後のゲストの椅子をなでると、温かいんです。

  • 久米:『久米書店』では、1,000円以下の新書を扱うと決めています。文庫本や単行本だと膨大な数があるので選択が大変。新書は、「新聞広告が多い」「本屋さんの店頭で平積みになっている」「電車内の中吊りも多い」ということで、「タイトルだけは見ているんけど、読んでない。でも、ちょっと読んでみてもいいかな」って思って見られている可能性が高いと思います。あと、男性・女性の作家さんがバランスよく来るようには選んでいます。 中身は森羅万象、なるべく壇蜜さんが好きな中身にしていますね。(笑)
  • 壇蜜:そしたら『タックス・ヘイブン』(※)は、おそらく入らないはずです。(笑)
    驚きましたからね、あまりに難しくて…。
  • 久米:もうオールジャンルですね。
  • 壇蜜:オールジャンルですし、新書ってどちらかというとその人が言いたいことを限られたページにぎゅっと押し込むモノですから、“ぐいぐい度”が高いと思っています。
  • 久米:“ぐいぐい度”?(笑)
  • 壇蜜:“ぐいぐい度”だと思っています、かなり。皆さんおっしゃりたいことがいっぱいあって、それをこんな短いものにしたためて、それでもまだ何か熱を持っている方に来ていただいているような気がします。だからその方がゲストとして立ち去った後の椅子、やっぱり温かいんですよ。
  • 久米:触ってんの?(笑)
  • 壇蜜:触ってます。軽く、なでるように。
  • 久米:信じられないことやってるな…。
  • 壇蜜:熱がありますよね。なんとなく日々の生活を綴りました、っていう方には今のところお会いしてないです。
  • 久米:新書ってタイトルもいいんですけど、本の内容も書いている人も時代との蜜着度が高いんですよね。だからゲストとして呼ぶと、今という時代がわかりやすい感じがする。
  • 壇蜜:そうですね、その方の見る今というのがすごく伝わります。
  • (※)2014年6月22日放送 『タックス・ヘイブン 逃げていく税金』(著者:志賀櫻)
    https://www.bs4.jp/kumebook/onair/11.html

収録で著者と初対面。
だからゲストは一番魅力的な“生きている言葉”で語ってくださるんです。

  • 久米:僕はゲストと初対面の番組しかやってきてないんですよ。以前担当していたニュース番組では、ゲストが番組の途中で来てましたから、事前に会ってもなかったんです。初対面のほうが多かったから、この「久米書店」のスタイルは僕にとっては驚くことではないですね。
  • 壇蜜:そ、そうなんですか!?(笑)
  • 久米:やっぱりゲストが事前に考えちゃうと、よくないと思うんです。その場で考えてくれる 答えというのが一番魅力的ですよね。一生懸命その場で考えて話してくださる言葉が一番“生きている言葉”っていうんですかね。
  • 壇蜜:黒板に私が板書するシーンがあるんですけど、3つしかポイントがないんですね。しかも1行で終わるような。それがこの番組の意味な気もします。事前に本を読んでいますけど、その人が言いたい“今の言葉”というのは番組中に聞いて進行していきたいという気持ちがすごく強いんです。だからゲストの方と話をしている中で、本とぴったり蜜着した内容になることもあれば、実はその方の私生活のほうが面白い内容だったらそっちに興味をひかれてしまう場合もあります。でもプログラムとしては、どっちも成功していると思います。

わからないことはわからない、と言うのは、正しい姿。

  • 久米:『タックス・ヘイブン』の著者の方、なかなかテレビに出ない方なんですよ。元財務官僚の方であまりテレビに出るお立場じゃなく、危険な目にも何度もあっている方で…。経済ニュースなどをまめに見てる方はおわかりのとおり、あの人が出たあと世界的にこのタックス・ヘイブンに関する取り締まりが厳しくなっている。税金を払わない巨大企業の体質を何とかしないといけないと世界が一致していて。そんなタイミングで出てくださったことには非常に意味があった。あの出演は、壇蜜さんが難しかったとおっしゃる分だけ意味があったんですよね。
    僕は、壇蜜さんがこだわるのは本能的にわかっているからじゃないかと思うんですよ。あの時のゲストの価値が。
  • 壇蜜:だって私、「ここにいていいのかな?」っていうくらいわかんなかったんですよ。(笑)
    こんなことが起こっているって全く知らなかったんです、お恥ずかしながら…。12回も命を狙われているというのに、ご本人はあっけらかんとした態度で、なんだか温度差が激しくて…。
  • 久米:やっぱりゲストが事前に考えちゃうと、よくないと思うんです。その場で考えてくれる 答えというのが一番魅力的ですよね。一生懸命その場で考えて話してくださる言葉が一番“生きている言葉”っていうんですかね。
  • 壇蜜:こういうのはいいですよね。テレビのインタビュアーがなんだかさっぱりわからないっていうのが。わかったふりしているよりはるかにいいと思いますよ、僕。テレビのインタビュアーってわかったふりしちゃう時あるんですよ。でも、わからないものはわからないっていうべきなんですよね。とても正しいあり方だと思っています。

(取材:博報堂DYメディアパートナーズ 広報室)