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フェイクニュース問題で再認識された、新聞メディアの価値【広告ビジネスに関わる人のメディアガイド2018 リレーコラム】#6
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最良のブランド・セーフティである新聞メディア

新聞の発行部数・広告収入は、ともに減少傾向が続いています。一方で、2017年は新聞社の持つ「記事の信頼性」にも注目が集まりました。契機となったのは、2016年末の米大統領選挙以降、フェイクニュースへの課題意識が高まったこと。日本でもキュレーションサイトにおける医療関連記事の信頼性が問われたりと、社会状況の変化によって改めて「信頼性のある記事」の価値が再認識されたと言えます。博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所が実施するメディア定点調査では、新聞の「情報が信頼できる」と答えた割合は引き続き上昇(2015年:49.5%→2016年:58.8%→2017年:65.8%)しています。モバイルシフトによって情報量の多さやスピードの速さが当たり前になる中、新聞メディアが持つ「信頼性」という価値が見直されたと捉えることができるでしょう。こうした環境変化の中で、新聞広告もまた信頼性が担保されたメディアとして価値が再認識されており、企業広告などのブランディング・コミュニケーションの活用に多く利用されています。

加速する新聞社のデジタル化を得意先ソリューションへ

「デジタルコンテンツの拡充」と「IDビジネスの加速化」の2点に注目です。『メディアガイド2018』の中でも書いていますが、新聞社が、急成長するデジタルコンテンツ市場に進出する動きが昨年から続いています。2017年4月に日本経済新聞社は「N-BRAND STUDIO」を設立。ライフスタイルメディア「NIKKEI STYLE」のコンテンツ開発だけではなく、企業動画のコンテンツマーケティング支援にも範囲を広げています。この動きに続いて2018年1月、読売新聞社が複数のデジタルコンテンツ制作会社と企業のコンテンツマーケティングを支援するブランドスタジオ「YOMIURI BRAND STUDIO(YBS)」を設立。新聞社としての信頼性や記者経験者のコンテンツ執筆力を活かしつつ、デジタル企業の制作力やクリエイティビティとの掛け合わせを行いながら、デジタル化を推進していく見込みです。
IDビジネスの動きは引き続き加速。どの新聞社もIDビジネスには注力をはじめており、中でも日経ID会員は800万人を超えています。ID基盤やDMPで取得できるオーディエンスデータを活用したデータマーケティングもさらに進んでいくでしょう。
新聞社は文化事業やスポーツ等、多種多様なコンテンツを持っています。これらのコンテンツを核に、紙面はもちろん、デジタルだからできるデータの掛け合わせ、フォーマットの多様化を行うことで、新しい商品開発を推進していきたいと考えています。

AdverTimes「メディアガイド2018」リレーコラムより転載

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【リレーコラム バックナンバー】
#1 マスメディア系動画メディアの可能性
#2 アトリビューション分析の統合と拡張で、広告投資の総合的な意思決定が可能に
#3 テレビ広告の再価値化とデータ連携による可能性
#4 テレビとネット同時配信、スポーツ分野での活用に期待
#5 スマートスピーカーが拡げるラジオメディアの可能性
#7 情報が多すぎる時代に、求められるメディアとは?
#8   アウトドアメディアにおける「ゼロtoイチ」

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