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「ラジオリスナーが増えている!戻ってきた!」というラジオ業界にとって、いい話
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ワイドFM、radikoが聴取率上昇を後押し

直近の4月のビデオリサーチによる首都圏の聴取率調査のセッツインユース(注)(男女12~69歳 週平均6~24時)が「6.8%」にUPしたという嬉しい結果が出ました。昨年10月に、6.0%、12月と2月は6.5%と、上昇傾向で、ラジオリスナーが増えた、もしくは、戻りつつあることが推測できます。

一つ目の理由は AM地上波のラジオでの難聴取対策として進められている、FM方式を利用したAMラジオの補完放送の、「ワイドFM」が利用されていることです。東京局(TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送)は昨年の12月からスタートしました。同じタイミングでセッツインユースが上昇に転じました。周波数は90~95MHzを使用するため、古いラジオでは受信できない場合もありますが、認知され利用されはじめています。

二つ目の理由は、インターネットを通じてラジオが聴ける 「radiko(ラジコ)」によるものです。民放ラジオ80局以上がそのプラットフォームを通じて番組の配信を行っています。PC、スマホで聴ける利便性が、聴取アップにつながっているものと考えられます。放送エリアの制限をはずした有料のエリアフリーサービス「radiko.jpプレミアム」は、4月時点で予定を上回るペースで伸びているようです。今年度中に、過去1週間分の番組を聴ける「タイムフリー」(聴き逃しサービス)がスタートすると聞いており、さらに便利になります。

ラジオの広告モデルは転換期に

さて、ラジオ業界に新しいサービス「i-dio」が登場しました。音声以外にもテキストや画像など、さまざまなデータを、デジタル放送で送信していくサービスです。3月から東京、大阪、福岡で、7月から名古屋エリアでサービス開始しました。スマホで専用のアプリをダウンロードし、専用のWi-Fi チューナー経由で聴くことができます。POPS、JAZZ、CLASSICなどのチャンネルが用意され放送されています。Wi-Fiチューナーはモニター募集で申し込みもしくはネット購入などで入手できますので、是非、聴いてみいてください。

ラジオ広告費は、2015年度は微減となり、厳しい状況が続いています。民放連研究所によると、2016年度もラジオ全体で0.2%の微減の予測が出ています。ラジオの広告モデルの転換期がきていると考えられます。

博報堂DYグループでは、媒体社・コンテンツホルダーのプロパティ活用を支援する音声コンテンツプラットフォームを構築し、生活者DMPのデータを活用したターゲティング音声広告配信サービス、新しい広告モデルをつくる準備に入りました。

2016年の話題豊富なラジオ業界にご注目下さい。

(注)セッツインユース:調査対象世帯のラジオやテレビのスイッチの入れられている受信(像)機の割合。Sets In Use(SIU)

◆AdverTimes「メディアガイド2016」リレーコラムより転載

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岡田進 ラジオ局

※執筆者の部署名は、執筆時のものであり現在の情報と異なる場合があります。

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