ニュースリリース

生活者とメディアに関する新しいテーマとして「Media Extension -ひろがる生活、ひろがるメディア-」を発表
NEWS RELEASE

株式会社博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所(本社:東京都港区、所長:三神正樹)は、第11回メディア環境研究所フォーラム(2014年11月18日 東京都内で開催)において、生活者とメディアに関する新しいテーマとして「Media Extension –ひろがる生活、ひろがるメディア-」を発表いたしました。
※本稿では、メディア環境研究所フォーラムでの発表内容の一部をご紹介いたします。
※フォーラムの様子はコチラ

■ Media Extensionに着目した背景 ■

2014年、スマートフォンの普及はとうとう6割を超えようとしています (*メディア環境研究所の「メディア定点調査2014」では2014年2月現在のスマートフォン普及率は59.1%)。スマートデバイスの一般化によって、私たちの生活には「スクリーン」が増え、生活者とメディアの付き合い方にも、変化の兆しがみえてきています。これまで生活者は、読む、見る、聞くといった行為を中心にメディアと関わってきました。しかし、スマートデバイスを手にした生活者はそうした行為にとどまりません。メディアに接触しつつ、同時に何かを調べ、買い、情報をやりとりする…生活者の行動領域は、これまでにないスピードで、様々なひろがりを見せています。こうした状況のもと、定性的な側面、例えば「テレビのどのような情報に反応し、生活者はスマートフォンを使うのか?」「生活者は、何を目的にスマートフォンを操作するのか?」「どのような機能・アプリを、どのくらいの頻度で使っているのか?」などについては、まだまだ未知の領域です。
メディア環境研究所では「テレビとスマートフォンの複合接触は、生活者の行動をひろげる」との仮説を立て、「テレビ/スマートフォンの同時行動ログ解析調査」「情報行動意識調査」「アイトラッキング調査」の3つの角度から調査を行いました。

■ 生活者の行動領域は、「メディアの外側」へと拡張を続ける ■

一般的に、これまでのメディアは「Closedな仕組みとClosedなコンテンツ」として存在していました。つまり、メディアの内側と外側がしっかりと区切られていたと言え、視聴者はそれに接する視聴者であり、読者は読者であるという非常にシンプルな存在でした。ところが、スマートフォンが普及することで生活者の行動は「調べたり、ソーシャルメディアで会話したり・・・」など、「見る」だけ「読む」だけではなく、メディアの外側へ行動がどんどんひろがっています。テクノロジーの進化により、生活者の行動領域がひろがっているのです。これはメディア側から見ると、「メディアとして勝負する領域が大きくひろがっている」と言えるのではないでしょうか。

■ 「スマートフォン/テレビの接触同時行動ログ解析」からみる拡張行動とは? ■

この場では、3つの調査のうち「テレビ/スマートフォンの同時行動ログ解析」の情報番組とドラマにおけるWeb・アプリ同時行動についてご紹介いたします。

≪Web・アプリ同時接触率の推移≫

(ドラマ)番組と連携して、ソーシャルメディアでのコミュニケーション行動がひろがっていく。
 番組スタートと同時にWeb・アプリ行動が始まっています。 グラフの黄緑色は「LINE」です。番組視聴中にコミュニケーションが活発に行われている様子が伺えます。途中、急激に同時接触率が下がっていくところがありますが、ドラマの内容を確認してみると、“目が離せないシーン”がありました。テレビのスクリーンに目が釘づけになり、同時行動が少なくなった様子が伺えます。棒グラフ1本が毎分を表していますが、1分ごとにグラフの高さや色が変わっていることから、様々な行動が瞬間、瞬間に行われていることがわかります。

(情報番組) Web・アプリ行動は、テレビ視聴を奪うのではなく番組視聴時のメディア行動を拡張している。
情報番組には様々なコーナーがありますが、その変わり目や盛り上がりの瞬間は同時行動が少なくなっている(同時接触率が低下している)ようです。例えば、対談などで登場人物が決まっており、番組の画面での動きを目で追わなくても耳で聴いていれば内容がわかるときなどには、同時行動が増えている様子が伺えます。
Web・アプリ行動を見ていると、テレビの視聴を奪う行動というより、番組視聴時のメディア行動がひろがっているという印象を受けます。

≪Web・アプリ同時行動の内訳≫

(全体傾向)コミュニケーション行動が活発なドラマと、インフォメーション行動が活発な情報番組。
情報番組でのWeb・アプリ行動を見てみると、ドラマより情報発信の行動が少なく情報収集行動、つまり「インフォメーション行動」が多くなっていることがわかります。番組から発信される様々な情報に刺激されて、行動を起こすために情報収集している様子が見えてきます。ドラマでのWeb・アプリ同時行動は、LINE、Facebook、Twitter、SNSなどの情報発信行動、つまり「コミュニケーション行動」が目立ちます。ここではご紹介しませんが、1時間の中でアプリだけでも多くの行動(20種類以上)があることもわかりました。今回の結果からは、ドラマでは「コミュニケーション行動」が、情報番組では「インフォメーション行動」がひろがっていることが確認できました。
番組のジャンルや内容によって、行動内容には違いがあることが推測されます。

(ログ解析調査の特徴)
ログ解析は、調査対象者の記憶に頼るアンケート調査と異なり、生活者の行動をトラッキングすることによって
計測・データを蓄積していく手法です。特定日の調査ではなく、常に計測しているのがポイント。
生活者の行動の事実を見ることができます。

(本調査の実施概要)
テレビ・モバイルの同時行動を見るために、テレビ・モバイル両方のモニターになっているシングルソースパネル
(㈱インテージ i-SSP 対象番組接触者)のログデータを分析

メディア環境研究所では、「Media Extension – ひろがる生活、ひろがるメディア-」の発表において、「テレビ/スマートフォン/の同時行動ログ解析調査」に加えて「情報行動意識調査」「アイトラッキング調査」を行いました。また、こうした調査に加えて、「メディアと社会のこれから」と題しての「海外事例の紹介」や「Media Roadmap 2020」といったコンテンツもご用意しています。

ご関心のある方は、メディア環境研究所ホームページをご覧ください。

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