
アドテック世代が見た、ad:tech tokyo 2011
2011年10月27日(木)・28日(金) 開催
i-メディア局 陶國直孝が見た『ad:tech tokyo 2011』のレポートをお届けします。
◆今年で3回目のアドテック
去る2011年10月27日(木)・28日(金)、日本での開催が今年で3回目となる『ad:tech tokyo 2011』がザ・プリンス パークタワー東京で開催された。
2009年から続くこのイベントは「デジタルマーケティング」を主軸にマーケティングの最新事例、最新テクノロジーについてセッションや企業ブースでの展示が2日間繰り広げられる。「アド【テック】」とは銘打っているものの、テクノロジーに限定することなく、幅広い意味でのデジタルに関連したマーケティングの祭典である。広告主・広告会社・メディア・制作プロダクション・システム開発会社など入り乱れてのこの「お祭り」は今年12,000人弱の参加者を記録した。1回目が4,000人弱ということなので、3年で3倍に参加者が膨れ上がっていることになる。どうりで今年はどこに行っても大混雑だったわけである。
第1回開催の2009年は私が入社した年である。デジタル系部署の新人として会社からの命により、博報堂DYメディアパートナーズが出展するブースで2日間立ち、2年目と今年は2日間終日はりついての参加だった。まさに「アドテック世代」と言える。おそらく各社のネット広告に携わる若手も、同じように入社以来この時期は多忙な時間を送っているのではないだろうか。
◆今年のトレンド
今年のad:techは何と言っても「ソーシャル」一色であったと言える。最初のキーノートからして日米のアディダス社による「ソーシャルメディアマーケティング革命」、続くセッションもパネリストがサイバーエージェント藤田氏、ミクシィ笠原氏、グリー田中氏である。2日目の最終クロージングキーノートに至ってはFacebookAsiaPacificのエリック・ジョンソン氏が講演した。
内容も出演者もソーシャル漬けの2日間であることから、いかに今ソーシャルが注目されており、トレンドになりつつあるかというのが分かる。しかし、実はこのソーシャルの状況はad:tech tokyo1年目より変わっていない。1年目は「トリプルメディア」という言葉に集約される年であった。既に、この「トリプル」の中にソーシャルメディアは内包され、ミクシィの活用事例などが多く話された。2年目は「ソーシャルメディア・スマートデバイス」が盛んに話題に上がった。それはまさにTwitter大ブームの兆しの頃である。普段の業務でもあらゆるところで、Twitterをどう活用すればいいのか?ミクシィとの使い分けは?と多くの議論がなされていた。
では、今年のソーシャルとは何だったのか。まずは、Facebookである。今年はFacebookブームが始まってからのAd:Techである。各セッションで紹介される事例はFacebookのものが数多く存在し、すでに「当たり前」の域に達していた。去年はTwitter、今年はFacebook。これだけでもソーシャルの時代の流れの速さを感じさせられる。また、Facebookだけではなく各広告主のソーシャルマーケティング事例、各メディアのソーシャル機能の取り込み、またそのデータ分析など、これまでのad:techでは「とりあえず事例」だったソーシャルメディアのマーケティング・考え方がより進化したという印象を受けた。
◆それでもマスは効く
ソーシャルが大半を占めた今回のad:techではあったが、マスについて非常に興味深い言及があった。Webメディア会社は「媒体社」という側面だけでなく、「広告主」という側面も持ち合わせている。「広告主」としての出稿目的はユーザー、会員数の増加、そして課金売上の拡大である。各モバイルSNSのCMもテレビで見かけることが非常に多い。
今回、グリーの田中氏、旅行比較サイトtravel.jpを手がけるベンチャーリパブリックの柴田氏がその点に触れていた。両氏ともに、テレビスポットを有効活用すると、会員増加・売り上げ増加に非常に寄与すると感じていて、テスト的に九州エリアのみでCMを出稿し、サイト/リスティング解析を駆使して効果を検証し、より効果的なマス出稿を考えているようだ。そして、両氏とも「マスは効く」ということを述べられていた。
「マスが効かない」といわれて久しいが、むしろWebメディア会社はマスの可能性に魅力を感じている。このギャップは広告主・媒体社どちらにも向き合う広告会社にとって、大きなヒントなのではないだろうか。
◆時代の流れ
以上のようにad:techはデジタルマーケティングの最前線を味わうことができる。もし、デジタルに造詣が深くないため参加に躊躇しているのであれば、尚更参加をおすすめする。今のトレンドを感じるには持って来いであるし、むしろ時代の流れの速さに衝撃を受け、デジタルが好きになるかもしれない。デジタルが本職でなくてもマーケティングに携わる者であれば、時代に置いていかれないために参加必須と言えるだろう。


