コラム
メディアガイド2015
メディア環境の変化を「大きさ」と「距離」からとらえる
COLUMNS

テクノロジーが発達し、メディア、サービス、デバイスの変化は目覚ましく、メディア環境は日々高速で移り変わっています。その変化をざっくりと、シンプルに「大きさ」と「距離」という2つの視点でとらえてみたいと思います。

まずは「大きさ」です。すぐに思い浮かぶのは、スクリーンの大型化。4Kテレビを購入するために久しぶりに訪れた家電量販店では、高精細な巨大スクリーンの数々にしばし圧倒。スクリーンの大型化は生活者にこれまでにない臨場感と迫力ある映像の世界を提供し、テレビの多機能化と相まって、テレビがマルチタスクメディアに変化したことに気づかせてくれます。

スクリーンの大型化の波はスマートフォンにも押し寄せています。街や電車内でゲームや動画に没頭している人を見かけるたび、スマートフォンが“見て楽しむメディア”になったことを実感します。

一方、書店で目を引くのはバッグサイズの雑誌の数々。付録のあり・なしなど、同一雑誌でも選択肢が増えています。

次に「距離」という視点です。スマートウォッチなどのウェアラブルは、「半径30cm」のメディアである携帯電話を抜いて、生活者との距離を一気に縮め、生活者とメディアが常に密着した環境をつくり出しました。また、生活者とメディアとの距離だけでなく、生活者と情報の距離にも変化が見られます。

世界でいま起こっている出来事、芸能人のプライベート、長年会ってない友達の日常生活から自分の身体の内部情報まで、遠近問わず、これまで容易に知りえなかった情報が、時間と空間を超えて生活者を取り巻いています。

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メディアと生活者は、単に情報の送り手と受け手というシンプルな関係から複雑化している。家や車などあらゆるものがインターネットでつながることで、生活空間そのものがメディア化し、コミュニケーションのあり方が変化していく。(「広告ビジネスに関わる人のためのメディアガイド2015」より)

 

共通のメディア体験を持ちにくい時代

いま、生活者は、鳴門の渦潮のような情報の渦の中に常に置かれているのです。

こうした世の中でいま起こっていることの中に発見は沢山ありますが、“あたり前”だと思っている基本的な知識の中にも発見があります。生活スタイルが多様化し、多種多様なメディアやサービスはこれまでにないメディアライフの選択肢を提示してくれますが、それは共通のメディア体験を持ちにくい時代であるということをも意味します。

これまで“あたり前”だと思ってきたメディアと生活者の関係を常に見ていないと、“あたり前”の変化に気づかないこともあります。

メディア環境研究所のメディア定点調査2014によると、1日のメディア接触時間量(東京)は385.6分。全体としてはメディア接触におけるデジタルメディアの比重は高く、それは周知の事実ですが、10代女性のメディア接触の6割強がデジタルメディアであるのに対して、60代女性は8割以上がマスメディアの接触で占めています。

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超高齢社会の日本は、高齢者の人口比率が高いといういまの“あたり前”を踏まえて基礎的な知識をとらえていかないと、見逃してしまいがちなこともあります。

例えば「テレビの視聴率って?」「radikoの聴取者は?」「大阪で一番読まれている新聞は?」「30代女性が読む雑誌は?」「スマホの所有率は?」「中吊り広告はどれ位見られている?」等々のメディアの広告ビジネスの基礎的な知識。このような“あたり前”の知識を得る為に私達が長年活用してきたのが「広告ビジネスに関わる人のメディアガイド」です。

このたび、博報堂DYグループの教科書的存在だった同書を皆様にお届けすることになりました。メディアのイロハがわかる同書を広くご活用いただき、メディアの広告ビジネスに関わるすべての方々とともに、これからのメディアビジネスを盛りたてていきたいというのが、私達の思いです。

企画立案、メディアプラニングなど、メディアビジネスのあらゆる場面でお使いいただけたらと願っています。

AdverTimes「メディアガイド2015」リレーコラムより転載

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新美 妙子 メディア環境研究所 上席研究員

1989年博報堂入社。新聞局、メディアマーケティングセクションを経て、2013年4月より現職。シニア研究、ローカルメディア研究など、生活者のメディア行動研究に従事。「メディアガイド」、「メディア10年変化(M10)」を編集・刊行。

※執筆者の部署名は、執筆時のものであり現在の情報と異なる場合があります。

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