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メディア環境研究所
~「メディア定点調査2017」から見るソーシャルメディアのいま~ メディア環境研究所 メディア定点調査連載コラム 
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Facebook、Twitter、LINEなど、近年、急速に発達して、私たちの生活に定着した感のあるソーシャルメディアには、いまどのような動きがあるのだろうか?「メディア定点調査2017」からソーシャルメディア関連のデータを読み解いてみる。まず、利用状況を見てみよう。
今年、ソーシャルメディアの利用率は75.2%(以下、データはすべて東京)と、昨年(69.2%)から6ポイント上昇し、8割に近づきつつある。いずれのサービスもじわじわと伸びていることが図1、2から見えてくる。

【図1】ソーシャルメディアの利用率

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サービスの使われ方については、この1年での変化はほとんどなく、Facebookはたまにしか会わない友人・知人の近況把握、Twitterは人のつぶやきやニュースの情報源、LINEは身近な人との日常的なコミュニケーションなど、サービスごとに使い分けられている様子が図3から伺える。

【図2】サービス別ソーシャルメディアの利用率

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【図3】サービス別利用機能(2017・2016年)

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次に意識や行動を見てみよう。図4の「SNS(ソーシャルメディア)は自分の暮らしに必要だ」(2016年:30.1%→2017年:32.7%)、「SNS(ソーシャルメディア)を通して、友人・知人がシェアした情報を見たり聞いたり読んだりすることが増えた」(2016年:28.7%→2017年:29.1%)、「SNS(ソーシャルメディア)から得た情報がキッカケで、テレビを見ることがある」(2016年:26.1%→2017年:27.5%)は、昨年からほぼ横ばいで、情報欲求の高まりや行動の変化は感じられない。ソーシャルメディアの利用は着実に伸びているが、意識や行動に目立った変化はなく、落ち着いた様相を呈しており、「ソーシャルは凪いでいる」という印象を受ける。

【図4】
〇SNS(ソーシャルメディア)は自分の暮らしに必要だ

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〇SNS(ソーシャルメディア)を通して、友人・知人がシェアした情報を見たり聞いたり読んだりすることが増えた

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〇SNS(ソーシャルメディア)から得た情報がキッカケで、テレビを見ることがある

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ソーシャルの新たな兆し~「フォトジェニック」より「いまこの瞬間」~

凪状態のソーシャルメディアの新たな兆しは何であろうか?数字に表れていない兆しをとらえるために、モバイルシフトを牽引する若年層女性である大学生女子数名に最近の変化を聞いてみた。共通して出てきたのは、昨年サービスを開始したInstagram(以下インスタ)のストーリーズ(以下ストーリー)。ストーリーはフィード上ではなく、画面の上部に別枠で表示され、写真・動画の投稿やライブ配信機能を持つ。インスタと違って、フィードに残らず、自動的に消滅するという手軽さや気楽さが受けているようだ。「インスタは50回に1回位でほとんどストーリー」、「インスタは月1回、ストーリーは週に3、4回」など、圧倒的に使用頻度が高い。「他人のフィードを汚したくない」し、「載せたい欲も落ち着いてきた」と言う。「フォトジェニック」「インスタ映え」より「いまを伝えたい」ということなのであろう。「メディア定点調査2017」のインスタの利用率は昨年から5ポイント強伸びて21.4%。今年のグラフの傾向を見ると、若年層女性だけではなく、30代女性(2016年:18.5%→2017年:40.0%)など少しずつ年代が広がってきていることが図5からわかる。
ちなみに彼女たちの母親はインスタを見ているのか聞いてみると、ちょっと考えて「そういえば見てます!」と口を揃えた。すそ野はまだまだ広がりそうである。

【図5】

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新美 妙子 メディア環境研究所

1989年 博報堂入社。新聞局、メディアマーケティングセクションを経て、2013年4月より現職。シニア研究など生活者のメディア行動研究に従事。「広告ビジネスに関わる人のメディアガイド2015」(宣伝会議)編集長。「メディア10年変化(M10)」社内刊行。2016年よりメディア定点調査担当。

※執筆者の部署名は、執筆時のものであり現在の情報と異なる場合があります。

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