コラム
メディア・クリエイティブ
審査員視点で語る「ADFEST 2017」
COLUMNS

博報堂DYメディアパートナーズ メディア・コンテンツビジネスセンター
メディア・コンテンツクリエイティブ1部の嶋田三四郎と申します。

私は現在このセンターにて、メディア・コンテンツを活用した広告主の課題解決を行う統合メディアコミュニケーションの創造と世の中のオーディエンスの潮流をいち早くキャッチした独自のコンテンツ開発という2つの側面の業務を手掛けております。

そんな、メディア・コンテンツを熟知?!している私ですが、
今回「ADFEST2017」で、「MEDIA LOTUS & EFFECTIVE LOTUS」の審査員を努めさせていただきました。エントリーする側としては見えなかった…「審査員側の視点」から見えた事を今回はレポートさせていただきたいと思います。

■「MEDIA LOTUS」を振り返る

今回「MEDIA LOTUS & EFFECTIVE LOTUS」という性質の全く違う2つの部門を、
7名の審査員で徹底議論したわけですが、まずは、「MEDIA LOTUS」を振り返ってみたいと思います。

審査のポイントは…
「メディアライク × サブカテゴリーライク」による“ 合わせ技1本 ”!!

審査中の議論の軸となる大きな視点の1つ目は、
「我々はクラフトを競う部門ではない…メディアの部門である!」
「だからこそ、アイデアが、メディアを活かした仕上げになっているかがまず重要!」
といった「メディア部門」としてのアイデンティティの維持でした。
そしてもう1つの重要な視点が「サブカテゴリーらしさ」の追求。
「MEDIA LOTUS」には、「BEST USE OF SCREENS & DISPLAYS」に始まり…
「BEST USE OF AUDIO」「BEST USE OF PRINT」「BEST USE OF OUTDOOR & TRANSIT」など…全部で「16」のサブカテゴリーがありました。

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《 参考:MEDIA LOTUS サブカテゴリー 一覧 》

「GUERILLA MARKETING」やら…「DIGITAL」やら…「TECHNOLOGY」やら…
「BRANDED ENTERTAINMENT & CONTENT」やら…
正直…「広告業界における手法が…全部入っちゃってない?!」というくらいの幅広いサブカテゴリー。

審査中の議論では、「GUERILLA MARKETINGって何かな?」とか「 “BEST USE OF SOCIAL MEDIA”っていうけど、そもそもSOCIAL MEDIAのいい使い方って何よ?」など、サブカテゴリーの定義自体に多くの時間を費やした結果…その定義に合致しているかどうかが重要な視点になった次第です。

このような審査基準の中、選ばれた作品が…

☆MEDIA LOTUS “ GRANDE ”
BEST USE OF AMBIENT:LARGE SCALE「THE UNUSUAL FOOTBALL FIELD」

タイ大手のディベロッパー「AP THAILAND」によるプロジェクトで、バンコクの人口密集地域の
いびつな形の空地スペースをサッカー場にしてしまった!という内容。
いわゆる長方形ではなく、台形だったり、直角に曲がってたり…通常の発想だとサッカー場にならない
ような場所でも、サッカーを楽しむには充分なスペースであり、地域の人が集り、皆が未来に向けて
勝ち負けではない純粋なサッカーを楽しめる場所になるという、スペース自体をメディアととらえ、
無→有への大胆な価値転換をスケールの大きい仕掛けで行ったこの作品は、まさにGRANDEに値すると審査員一同賞賛の嵐でした!

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また、このGRANDEの作品以外で、私が個人的に気に入ったのが…

①植物をメディアととらえ、アーティストの音楽の新しい体験の仕方を創り出した…
BEST USE OF AUDIOで「GOLD」となった「SINGING NATURE」
②これぞ、アウトドアメディアらしいアイデアが詰まった
BEST USE OF OUTDOOR & TRANSITで「GOLD」となった「TOILET PAPER FOR SMARTPHONES」
③プロダクトにおけるテクノロジーではなく、メディアにおけるテクノロジーの使い方の象徴となる
BEST USE OF TECHNOLOGYで「GOLD」となった「REWORD」

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①SINGING NATURE         ②TOILET PAPER FOR SMARTPHONES ③REWORD

この作品以外にも興味深いモノはたくさんありますが…
メダルを取った作品に共通しているのは、自分が、「うわーやられた!思いつきもしなかったアイデアだ!」という「嫉妬心」にやられたかどうかなので…皆さんもアーカイブがアップしたら、色んな作品を
「ヤキモチありか、なしか」という目線で、是非チェックして欲しいです!

■「EFFECTIVE LOTUS」を振り返る

「MEDIA LOTUS」の審査が終わった瞬間から…「EFFECTIVE LOTUS」の審査が始まった
訳なのですが、我々、審査員全員…頭を切り替える事がすごく難しかったです(笑)

審査のポイントは…
「STRATEGYとCREATIVITYとRESULT」の“HARMONY”!

「EFFECTIVE」というと…「効果・効率だけを見る部門?!」と思いがちだったんですが、
そうでもなく…重要だったの、審査の基準ともなっている
「STRATEGY:33.3%」「CREATIVITY:33.3%」「RESULT:33.3%」という調和の取れたバランスでした。
「RESULT」だけよくても、ダメ…「CREATIVE」だけよくても、ダメ…「STRATEGY」だけよくても
ダメ…「STRATEGY」に基づく、「CREATIVITY」であり、その2つに基づく「RESULT」がある!
という「HARMONY=調和」が一番重要なポイントでした。

その象徴として全員一致で「GRANDE」となったのが、
☆EFFECTIVE LOTUS:CAMPAIGN SUCCESS
「OJIGI 〜ICE POPS “GARIGARIKUN”」

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このキャンペーンは、もう知っている人も多いと思うので、内容は省略させていただきますが、
「STRATEGY と CREATIVITY とRESULT」に秀逸な“HARMONY”があると同時に、全ての要素に、日本らしさとユーモアが加わっている点で、他より秀でていたという総評でした!

■審査を通じて想う事

やはり、ADFESTは「CREATIVITY」の祭典なんだなあ、と強く実感しました。「MEDIA LOTUS」でも「EFFECTIVE LOTUS」でも、その部門の規定演技をクリアしている事はむしろ大前提で、そこから「メダル」を取れるかどうかは、やはり審査員のココロが一瞬で動くシンプルで強いアイデアという“CREATIVITY”があるかないかという事です。複雑化している現在の広告の世界…とかく難しく考えがちになっているアイデア思考を悔い改め、
今一度「CREATIVITY」を真ん中に…「Keep It Simple & Strong」で行こう!
それが、20周年を迎えた「ADFEST」からのメッセージだったのだと…思います。

嶋田三四郎 メディア・コンテンツビジネスセンター

メディア・コンテンツの特性を活かしたクリエイティビティを軸に、商品・ブランドコンセプト開発、広告キャンペーン開発、CM・グラフィック開発、テレビ・ラジオ等番組プロデュース、メディアPR、WEB・イベントプロデュース等生活者との全ての接点をメディアと捉え、企画をプロデュース・実行するチーム「concreat」を率いる。

※執筆者の部署名は、執筆時のものであり現在の情報と異なる場合があります。

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