コラム

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「ラジオの新しい視聴スタイルとビジネスモデル」

2012年1月16日

佐藤 圭太朗

i-メディアビジネス局

デジタルラジオの実用化試験放送が3月31日に終了した。総務省は2013年のデジタルラジオ実用化を目指しているが、700億円以上の設備投資や、専用の受信端末の普及など、実現までの道のりは遠い。そうした環境下、スマートデバイスをラジオとして活用するサービスが始まっている。

KDDIは、auのAndroid端末などで、全国民放52局のFMラジオ放送が聴けるストリーミングサービス「LISMO WAVE」を開始。これまでのラジオ放送とは異なる二つの新しいビジネスモデルによって提供されている。

一つは放送コンテンツを通信で配信することで、全国のラジオ番組を放送エリアに制限されずに聴くことを可能にしている。良質なローカルコンテンツが全国に提供されることで、地方の音楽との新しい出会いが生まれ、インディーズの発掘など新たなビジネスが創造される。

もう一つは、ラジオの新しいマネタイズである。これまで無料で提供されてきたラジオ放送をアプリとして提供することで、月額315円というサブスクリプションモデルに転換。更には、ラジオのオンエアと共に表示される楽曲がそのまま購入できるなど、放送と通信だけでなく、音楽ビジネスとも融合した新しいビジネスモデルを構築している。

海外では、新しい視聴スタイルのビジネスモデルも登場している。欧州を中心に展開する「Spotify」は、月額利用料だけで1000万曲の中から無制限にストリーミング視聴できるサービスを提供し100万人を突破。ラジオのように利用者に楽曲の所有をさせないことでサービスを実現している。

ラジオ業界は、これらの新しいサービスとも協業・競合しながら、ビジネスモデルを変革していくだろう。広告会社も、媒体社のパートナーとして、PC、スマートフォンでラジオ放送が聴ける「radiko」のような新プラットフォームを提供し、次世代のメディアビジネスを創造する役割を担っている。

(宣伝会議2011年5月1日号掲載の連載を転載)

※執筆者の部署名は、執筆時のものであり現在の情報と異なる場合があります。

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